WFPチャリティー エッセイコンテスト2025

入賞作品発表

審査員特別賞(高校生を除く18歳以上部門)

食で未来を変える
東京都 学校法人ISI学園 専門学校
東京ビジネス外語カレッジ 1年
ABONGKECHU GAELLEさん

 私はカメルーンのバメンダという街で育ちました。そこは今も続く紛争の中にあります。朝、銃声が響く中で学校へ行き、帰れるかどうかもわからない日々でした。しかし、本当に辛かったのは「恐怖」よりも「空腹」でした。
 ご飯がない日もあり、授業中にお腹が鳴るのを必死で我慢しながら勉強しました。クラスメートの中には空腹で倒れたり、学校をやめる子もいました。私が一番つらかったのは、何もないふりをすることでした。心の中で、こんな状態でどうやって未来を描けるのか…そう思い続けていました。
 だからこそ、私は「Better Smiles」という若者主導の団体に参加しました。この活動はバメンダで5年以上にわたって続いており、私は単なるボランティアではなく、チームの中心として活動しました。SNSの運営やデザイン、イベントの企画を担当し、MispaやHelping Handsなど、約100人の子どもたちが暮らす孤児院にも支援を届けました。初めて支援物資を届けた日、子どもたちの笑顔、そして施設のスタッフの涙を見た時、自分の中で何かが変わりました。
 これはただの「援助」ではなく、「尊厳」を取り戻す行動なのだと実感しました。そして、私自身がその一部であることに誇りを感じました。
 今、私は日本でビジネスとロジスティクスを学んでいます。目指しているのは、地元の食材を使ったカメルーン向けの栄養価の高いスナックを開発することです。Calbeeのように、子どもが笑顔で食べられるおやつです。これは農家の支援にもつながり、雇用も生まれます。
 私は「食」は未来を守る力があると信じています。空腹は、集中力や学びの機会、そして夢までも奪ってしまう「泥棒」です。だからこそ、私は行動したい。
 これは簡単な道ではありません。でも、私はその痛みを知っているからこそ、進む理由があるのです。

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  • 【選者のコメント】
    竹下 景子さん(国連WFP協会アンバサダー 俳優)
    アボンクケチュさん、日本に来てくれて有難う。壮絶な体験。勇気ある行動に心揺さぶられました。母国の子ども達が明るい未来を描けるようにと学ぶ姿勢から、私達もまた多くを学ぶことができます。カメルーンの現状。尊厳を見失わない生き方とは。そして、食べることの大切さ。自分事として迫ってきました。ゴールは遠くても、そこには確かな希望があります。一緒に頑張りましょう!
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