WFPチャリティー エッセイコンテスト2025

入賞作品発表

中学生部門賞

初めてのチャリティーワーク
東京都 頌栄女子学院中学校 3年
伊藤 桃子 さん

 小学二年生の春、私は初めてチャリティーワークに参加した。それは当時通っていたサンフランシスコの聖アグネス教会によるもので、内容は、教会の近所の通りで路上生活をしている、いわゆるホームレス状態の方々に食事を配るというものであった。当時の私にとってチャリティーはあまり馴染み深い言葉ではなく、初めて母からこの活動について聞いたときは少しだけ心理的な壁を感じた。あまりよい考え方ではないが、小学二年生だった私はホームレスの人々のことを危険な存在と判断していたため、彼らに近づくことについて抵抗があったのだ。突然大声を出したり変な液体を持って絡んできたりすることが多かったのだ。だが、恐怖を振り切って、思いきって活動に参加してみることにした。ミサを終えた後、教会の施設でホームレスの方々に配るためのサンドイッチを作り、紙袋に入れ、箱に詰め、それを持って友達と一緒に教会近くの通りで生活している人々を探し、食を配り始めた。思っていたよりも路上生活をしている方々は多く、最初はサンドイッチを渡すのが怖かったが、友達が笑顔で渡しているのを見て、私も勇気を振り絞って渡してみた。そうしたら、いつもの印象とは全く違い、ホームレスの人達は満面の笑みで丁寧に感謝を伝えてくれた。その時初めて、少ない食事が彼らにとってどれだけ重要で貴重なのかを知り、私がどれだけ恵まれているかに気づいた。毎日三食の美味しいご飯が食べられることが多くの人々にとって「普通」ではないのだと知ったのだ。家に帰ってから調べてみると、世界中に生活に困窮していて、食糧支援が必要な方々が何億人もいることを学んだ。私はこの活動を通して、食にありがたみを持つようになり、また食に困っている人達の助けになれるような機会があれば喜んで引き受けようと思えるようになった。

  • 【選者のコメント】
    本田 亮さん(国連WFP協会 理事 クリエイティブディレクター・環境マンガ家)
    はじめてチャリティーワークに参加した時の気持ちを素直に正直に作文にしてくれた。近寄り難かったホームレスの人たちと勇気を出して触れ合ったことから生まれた心の変化。誰もが食事を求めていて、食事は笑顔を運んでくれるということ。
    そしてわずかな食事さえ食べられずに苦しんでいる世界の人たちに思いを馳せた発想の広がりに共感しました。読み終わった時に、清々しさを感じた作文です。
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