伊丹 理桜菜さん
私はフィリピン・セブ島のボランティア活動に参加した。活動は貧困地域に住んでいるスラムの子どもたちにプレゼントを届けるというものだ。やっとの思いでたどり着いたスラムは大きなゴミ山の中や悪臭がたちこめる場所にあり、私が考えていた生活する場所とはかなりかけ離れたものだった。そんなゴミ山の中で、ご飯を買うお金を得るために一日中ゴミを集めている子どもたちがいた。私はこの時、目の前に広がる貧困の現実に言葉を失い、自身の無力さを痛感した。
セブ島といえば、世界中から観光客が訪れるリゾート地だ。そんな観光地のすぐそばにあるスラムでゴミを拾う子どもたちや物乞いをする人々。私がセブ島の空港で食べた600ペソ(約1,500円)のラーメンと、スラムで食べた6ペソ(約15円)のパン。同じ島の中で食事の値段に100倍もの差があるという現実。15円のパンは子どもたちがゴミを拾って得たわずかな収入で買える食事だ。観光客が何も考えずに捨てたものが誰かの“命綱”になっていた。
私は活動の中でQueenと出会った。彼女は私たちの宿泊施設の近くにあるスラムに暮らしていて、彼女の家族が夕食に招待してくれたことで私たちは仲良くなった。彼女は小学4年生。スラムに住みながらも日本の支援者のおかげで学校に通い、その結果子どもの教育に関する家族の意識が高まりお兄さんも奨学金を得て大学に通うようになったそうだ。しかし、この夏、彼女が支援を失い学校に通えなくなるかもしれないことを知った。私はすぐに家族にお願いして自分の貯金やこづかいの中から毎月1,000円を彼女の支援に使うことにした。「見て見ぬふりをしないこと」これが、私の世界を変える最初の一歩だった。SDGsは決して政府や国際機関だけが取り組むものではない。「誰かを置き去りにすることにより得られる豊かさ」ではなく「誰もが未来を描ける社会」を私はこれから作り上げていきたい。
| 最優秀賞 | » 最優秀賞 | |||
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| 部門賞 | »小学生部門賞 | »中学生部門賞 | »高学生部門賞 | »高校生を除く18歳以上部門賞 |
| 審査員特別賞 | »小学生部門 | »中学生部門 | »高学生部門 | »高校生を除く18歳以上部門 |
| WFP賞 | » WFP賞 | |||


マリウス葉さん
彼女のエッセイは、SDGsが政府や企業、国際機関のための指針だけではなく、人類全体に共通する責任であることを美しく伝えています。彼女の言葉に共鳴し、私もまた、一人ひとりが自らの未来を思い描き、創り出す力を持てる社会を築いていきたいと感じました。