WFPチャリティーエッセイコンテスト2018

入賞作品発表

審査員特別賞(中学生・高校生部門)

立場や状況で変わる食べ物の重み
宮城県 仙台市立高森中学校 1年
 熊谷 凌風(くまがい りょう)さん

 僕の一番思い出に残っている食べ物は、クリームのついたシフォンケーキです。
 東日本大震災の後、車で偶然通りがかったケーキ屋さんの前に、テーブルを出して売っていたシフォンケーキです。おそらく、その時お店に残っていた材料で作ったと思われる、普段ケーキ屋さんに並んでいるようなキレイな飾りも何もついていないケーキでしたが、自分達も被災し、大変だと思われる中でお店を開いてケーキを売ってくれていることがとても有難いなと思いました。
 その頃、僕は、親戚3世帯で協力し合いながら生活していました。懐中電灯の明かりの中で、カセットコンロでおじやを作って食べた後、一つのシフォンケーキを8人で分けて食べました。一切れ一切れは小さかったけど、災害の中でのケーキはとても美味しかったことを覚えています。
 好きな時に好きな物を食べられていた時とは違う喜びを感じました。それをみんなで分けて食べた時、みんなが嬉しそうにしていたのでさらに幸せな気持ちになりました。
 作文のテーマを読んだ時、自分が物がない状況の中でケーキを食べた時の幸せな気持ちと、発展途上国の子供達が給食をもらった時の幸せな気持ちは少し似ているのかなと思い、ネットで調べてみました。すると僕が考えていたものと大分違っていました。発展途上国の子供達の飢えを少しでもしのぐのが給食支援だと思っていたのですが、給食で空腹を満たすだけでなく、給食があることで学校に通うことができる。そして学校で学ぶことによって知識を身につけ、ちゃんとした仕事についたり、世界的なアスリートになった人もいるそうです。
 僕にとってのケーキが、発展途上国の子供達にとっての給食と似ているかもしれないと思ったのは間違いでした。空腹を満たすだけでなく、その人達の人生をも大きく変える力を持っていたのです。

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    三浦 豪太さん(国連WFP協会顧問 プロスキーヤー・博士(医学))
     食べるものにも苦労している東北震災直後、たまたま食べたシフォンケーキをきっかけに空腹について考えるようになった作文の作者。発展途上国の人達の現状を調べ、自分と重ね合わせた結果給食と食べるということが勉強や社会活動に直結していることを知る。その事を自身に置き換え素直に受け止め文章に表していた点が素晴らしい。
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