WFPエッセイコンテスト2015 入賞作品

審査員特別賞(小学生部門) 魔法のからあげのおにぎり
神奈川県 カリタス小学校6年 黒澤 碧 (くろさわ あおい)さん
 私の力飯は、からあげが入った白いおにぎり。サッカーの試合でおにぎりを持っていく時は、だいたいいつも持って行く。午前中の試合でぜんぜんダメでも、からあげのおにぎりを食べると、「次の試合はがんばろう!」
と思えてくるし、力がどんどんわいてくる気がする。
 ある日の試合でボロ負けした…コーチにもすごくおこられて、お昼の後にもう一試合あるのに、みんなしょんぼりしていた。私だってくやしくて、お昼の時もみんないつもはしゃべりながら楽しく食べるけど、その日はほとんどだれもしゃべらなかった。その時に、私はからあげのおにぎりを食べた。少しでも気持ちを切り替えて、次の試合にそなえようと思ったから。おなかがすいていたのもあって、三個も食べた。すると少ししてから、だんだんやる気が出てきて、試合がすごく楽しみになってきた。
「前の試合がダメダメでも、次の試合がんばればいい!」
というコーチの言葉も思い出して、みんなをはげますこともできた。みんなも元気になって、アップもいっしょうけんめいやった。
 ちょっとして、試合の時間になって試合が始まった。次の相手もけっこう強くて、先に一点入れられてしまった。前半に一点も入れられずに、少しみんなあせってしまったが、後半に一点取り返し、なんとか同点においついた。もう時間も少なくなってきて、みんな必死に攻撃したり守ったりしていた。そこで私は、最後のチャンスだと思いドリブルをはじめた。何人も相手がとりに来たけれど、なんとかぬいて、シュートを打ったら入った!逆転して試合は終わり、勝つことができた。
 その日から、大切な試合の時はからあげのおにぎりを持って行くことにした。