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WFPチャリティー エッセイコンテスト2017

19,075通のご応募ありがとうございました。
10月13日に開催しました表彰式の様子はこちらからご覧ください。

WFPエッセイコンテスト2016 入賞作品発表

WFPチャリティー エッセイコンテスト2017に多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
全国から19,075通の作品が寄せられ、厳正な審査の結果、入賞作品が決定しました。なお本コンテストでは、応募1作品につき給食4日分(120円)が寄付協力企業より寄付されます。寄付金額は2,289,000円となり、およそ76,300人の子どもたちに栄養価の高い給食を届けることができます。皆様のご支援に感謝いたします。是非、入賞作品をご覧ください。

作品集がごらんになれます。デジタルブックで見る

WFP賞(最優秀作品)

WFP賞(最優秀作品)ありがとうの味 東京都 玉川学園高等部 3年 岡田 萌 さん
ありがとうの味
東京都 玉川学園高等部 3年 岡田 萌(おかだ もえ)さん

 私の家は五歳のときから、母と私の二人で暮らしている。それから今まで、母はほぼ毎日、夜遅くまで仕事をしながら私を十三年間一人で育ててきてくれた。
 母は休日もいそがしく、私はあまり母の作る朝ごはんや夜ごはんを食べる回数が少なくなっていった。小学生のころ、遠足でお弁当を持っていくことになっていた。前日の夜もいそがしそうに遅くまで帰ってこない母のことが心配になり、お弁当が必要だということを私は母に言えずにいた。母の帰りを待っていたとき、母から一本の電話が入った。
 「明日、お弁当に何入れて欲しいか言っていいよ。何でも作ってあげる。」
 私はこの母の声を聞いて、今まで言えなかった寂しさと、感謝と、嬉しさがあふれて涙が止まらなかった。
 次の日の遠足で母からのお弁当を開いたとき、私はとても胸がいっぱいになった。お弁当箱の中は私の好きな物ばかりがカラフルに並べられていて、色々なことを考えながら、そして私のことを想いながら作っている母の姿が浮かんだからだ。そのとき食べたお弁当は、きっと誰のものよりもおいしく、温かいものだった。
 その日の夜、私は母の帰りを待ちながら、母のためのおにぎりをいくつか作った。家に帰ってきた母は目に涙をうかべながら、ありがとうと笑ってくれた。料理がただでさえ苦手な小学生の私が作ったおにぎりはきっと、塩加減もめちゃくちゃなものだっただろう。それでも母は、おいしい、とくり返しながら私の作った“ありがとう味”のおにぎりを嬉しそうに食べてくれた。だから私にとっておにぎりは、特別なものなのだ。

[選者のコメント]
湯川れい子さん(国連WFP協会顧問/音楽評論家・作詞家)
 さまざまな事情から、戦中も、そして戦後72年を経た今も、日本には母子家庭が多い。
 朝も夜もなく働かなければ、母親の腕ひとつで子供を育てるのは大変な作業で、報われる事も少ない。そんな事情が胸に迫る一文だと思う。
 そして「おにぎり」は、日本の食の原点であると、改めて心に染みた。思わずホロリと涙しながら、幸せとは愛情に他ならないと、大切な事を教えて貰った気がする。

部門賞

小学生部門 「分けられなかったお弁当」 神奈川県 湘南白百合学園小学校 5年 兼八 美汐 さん
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[選者のコメント]
本田亮さん(国連WFP協会理事/クリエイティブディレクター・環境マンガ家
 淡々と事実を伝える中におばぁちゃんへの深い愛を感じました。
 食糧が乏しかった時代のおばぁちゃんの体験談をただ聞くだけではなく、その中から多くのことを学び取り食事に対する姿勢として生かしたところが素晴らしい。作文も小学生とは思えないくらい良く書けていて、特に最後に出てくるおばぁちゃんの言葉には思わず涙が零れてしまいました。最初は切なく最後は温かく前向きな気持ちにさせてくれるいい作文です。
中学生・高校生部門賞 愛を注ぐ 東京都 開成中学校 3年 谷澤 文礼 さん
エッセイを読む
[選者のコメント]
三國清三さん(国連WFP協会顧問/オテル・ドゥ・ミクニ オーナーシェフ)
 料理の好き嫌いは、作った人の思いをどれだけ知るかによる。だから食べるときは、ただ食べるのではなく、その食材がどのように作られているか、どのような想いで作ったかを知ることが大切。そうするとその食べ物が数倍おいしく感じられるものである。祖母の生き様を知り、愛に気付き、感謝と思いやり、ありがたさと尊さを体験した事は、彼のこれからの人生において、有意義な感性を与えると思います。
18歳以上部門 命をつなぐ食事 栃木県 松本 歩実 さん
エッセイを読む
[選者のコメント]
御立尚資さん(国連WFP協会理事/株式会社ボストン コンサルティング グループ シニア・パートナー・アンド・マネージング・ディレクター)
 幼児、中高生、働き盛りにとっての食事。どれも、人生の大事なヒトこまとして、記憶に残る食事があるだろう。しかし、人生最終盤に至ってからの食事は、また違った意味で深い意味を持つ。それだけに、病院や施設でお仕着せの食事をせざるを得ないお年寄りの思いはどのようなものだろうか。
 管理栄養士として、老健施設の食事を預かる著者は、お年寄りの人生に寄り添い「おいしい食事が食べられて幸せ」と思ってもらえるよう、日々真剣に取り組んでいる。
 何よりも喜んでくれるお年寄りの笑顔が、彼女自身の人生にも深い色どりを与えているだろう。本当に素敵な話を、ありがとうございました。

審査員特別賞

小学生部門 残り物から「想う」 神奈川県 カリタス小学校 5年 丸本 ありす さん
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[選者のコメント]
広瀬すず さん
(女優)


 忘れかけていた大切なことを思い出させて頂きました。食べ物があることが当たり前の日本で、「もったいない」という言葉の大切さ。きっと、この言葉は食べ物に限らず、全ての物事に当てはめられるものなのかもしれません。
 また、人生で大切なことを親から学んでいくというエピソードにも感動しました。
中学生・高校生部門 ご飯に合う最高のスパイス 東京都 巣鴨中学校 2年 常松 奏音 さん
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[選者のコメント]
竹下景子さん
(国連WFP協会親善大使/
俳優)

 読みながらブワッと涙が溢れた。いまどき、こんなにも健やかな家庭があることに感動したのだ。奏音君の今年の夏休み。ご両親は共働き。1人で遅い朝食をすますと、昼にはお祖母さんが来て一緒にご飯を食べる。夕方、奏音君は母の手伝いをする。夕食時、テレビはつけない。それぞれが役割りを果たし支え合っている。そしてその傍らにはいつも会話がある。ここのご飯が幸せごはんでないわけがない。そしてその理由を奏音君は把握している。オッと、また字がかすんできた。
18歳以上部門 誓いのおにぎり 大阪府 矢鳴 蘭々海 さん
エッセイを読む
[選者のコメント]
三浦雄一郎さん
(国連WFP協会親善大使/
プロスキーヤー・冒険家)
 安全で豊かな生活では感じ取ることが出来ない<食>に対する想いを、震災を通じて体験した著者の文章から、お米のひとつひとつを慈しむ愛情が伝わる。おにぎりを握る手に、感謝と平和の思いが込められる。子供のときに培った<食する幸せ>を心に刻み忘れないようにすることは未来へ大切な食を繋げていく誓い - とても温かい気持ちにさせてくれるエッセイだ。

佳作

小学生部門

東京都 聖心女子学院初等科 5年 今寺 玲菜(いまでら れな)さん
神奈川県 横浜市立西前小学校 6年 岡部 早紀子(おかべ さきこ)さん
神奈川県 横浜市立駒岡小学校 6年 佐竹 光樹(さたけ みつき)さん
神奈川県 湘南白百合学園小学校 6年 中野 麗子(なかの れいこ)さん
バルバドス コドリントンインターナショナルスクール 6年 南 航大朗(みなみ こうたろう)さん

中学生・高校生部門

東京都 東京学芸大学附属国際中等教育学校 5年 大浦 晏奈(おおうら あんな)さん
茨城県 茗溪学園高等学校 1年 大津 世莉(おおつ せり)さん
福岡県 中村学園女子高等学校 2年 鎌田 あみ(かまた あみ)さん
東京都 女子学院高等学校 1年 木村 莉子(きむら りこ)さん
千葉県 浦安市立浦安中学校 1年 森山 ひかる(もりやま ひかる)さん

18歳以上部門

広島県 植田 敬(うえだ たかし)さん
東京都 杏林大学 外国語学部 1年 佐伯 桃花(さえき ももか)さん
島根県 手銭 眞理子(てぜん まりこ)さん
岡山県 環太平洋大学 次世代教育学部 3年 ホアン ゴックビックチャンさん
神奈川県 村山 守(むらやま まもる)さん

WFP学校給食賞

京都府 京都学園中学高等学校
審査委員会による審査の様子
審査風景 審査風景
審査委員長の湯川れい子さん、三國清三さんを中心に審査
WFPエッセイコンテスト2016 について