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WFPエッセイコンテスト2016

14,659通のご応募ありがとうございました。
10月14日に開催しました表彰式の様子はこちらからご覧ください。
竹下景子さんによるWFP賞受賞作品の朗読映像は以下より視聴いただけます。
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WFPエッセイコンテスト2016 入賞作品発表

WFPエッセイコンテスト2016に多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
全国から14,659通の作品が寄せられ、厳正な審査の結果、入賞作品が決定しました。なお本コンテストでは、応募1作品につき給食約4日分(120円)が4社の協力企業よりそれぞれ寄付され、寄付金額は175万9,080円(1社あたり43万9,770円)となり、およそ5万8,636人の子どもたちに栄養価の高い給食を届けることができます。皆様のご支援に感謝いたします。是非、入賞作品をご覧ください。

WFP賞(最優秀作品)

WFP賞(最優秀作品)命のスープ 神奈川県 カリタス小学校 4年 片岡 璃穂 さん
命のスープ
神奈川県 カリタス小学校 4年 片岡 璃穂

 私は今年の夏休みに初めてお父さんの国、かん国へ行きました。ハルモニ(おばあちゃん)と会うのは一才のたん生日以来、九年ぶりです。
 みなさんは、たん生日の日はどんな風にすごしますか。プレゼントをもらったり、自分の好きなものやケーキを食べたりして楽しくおいわいしますよね。
 八月生まれの私のおいわいをしてくれるというので、私はとても楽しみでした。
 やっぱりかん国はやき肉が有名だから肉パーティーかなと思っていたら、見た目がとても地味なわかめスープが出てきて、私はとてもびっくりでした。「たん生日なのに、わかめスープ?」と心の中で思っていたら、お父さんが話してくれました。
 「赤ちゃんをうんだ後のお母さんはつかれていても、すぐにオッパイをあげないといけない。体力のない人でも色いろな栄ようが取れるように、赤ちゃんをうんだお母さんにはわかめスープを食べさせるんだ。そして、かん国ではね、うんで育ててくれた両親を思い出して感しゃするためにたん生日にはわかめスープを食べるんだよ。」
 私はとてもはずかしくなりました。今までいわってもらうことしか考えていなくて、たん生日には自分が主役のパーティーが当たり前だと思っていたからです。そして、スープを飲みながらお母さんが一リットル以上の出血でとてもなんざんだった話を聞きました。
 お母さんが飲んだわかめスープが母にゅうになって私が育ったんだとわかったら、だんだん命のスープに思えてきました。それから、てれくさくて言えなかったけど「うんでくれてありがとう」と思いながら食べていたら、どんなごちそうよりもおいしく感じました。ハルモニのわかめスープは、私が育った命のちからメシだったんだと思いました。

[選者のコメント]
湯川れい子さん(国連WFP協会顧問/音楽評論家・作詞家)
 まだ片岡璃穂さんは小学4年生。お誕生日といえば、ケーキやプレゼント、いつもは食べないようなご馳走で祝ってもらうもの…と思っていたのに、お父さんの国、韓国で出て来たのは一杯のわかめスープでした。
 赤ちゃんを産んだ後のお母さんは疲れているのだから、オッパイが沢山出るように、有りがとうを込めての「わかめスープ」。読んでいて目からウロコの感動でした。文章力も見事です。文句なく一等賞です。

部門賞

小学生部門 じじがゆ 神奈川県 カリタス小学校 6年 須之内 梨央 さん
エッセイを読む
[選者のコメント]
御立尚資さん(国連WFP協会理事/株式会社ボストン コンサルティング グループ シニア・パートナー・アンド・マネージング・ディレクター
 食べることは、伝えること。価値感や文化、さらには今は歴史となった実体験を食事をしながら、じじは孫に伝える。その時は、ぴんとこずに聞き流していた孫も、いつしか味の記憶とともに、じじが伝えたかったことの意味を知るようになる。根源的な食の力を、肩に力をいれるのではなく、自分自身の思い出として語ってくださった素敵な作品だと思います。
中学生・高校生部門賞 それも誰かの「ちからメシ」 大阪府 関西学院千里国際高等部 1年 藤戸 美妃 さん
エッセイを読む
[選者のコメント]
本田亮さん(国連WFP協会理事/クリエイティブディレクター・環境マンガ家)
 ちからメシというとても難しいテーマにも関わらず、大きなメッセージのある作文に仕上がっていた。海外での緊迫感ある体験はとても臨場感があり、当事者になった感覚で食べ物の大切さについて考えさせられた。自分の残した食べ物が誰かのちからメシになるという発想は、アンバランスな現在の食料事情そのものだと思う。読んだ人すべてが地球と言う大きな視点で食料問題を考えるきっかけを与えてくれたところがいい。
18歳以上部門 パオーンおじさんのちからメシ 広島県 鎌田 俊三 さん
エッセイを読む
[選者のコメント]
三國清三さん(国連WFP協会顧問/オテル・ドゥ・ミクニ オーナーシェフ)
 特にご自身がパーキンソン病であるのにもかかわらず、このように直筆で書かれていることや、子どもたちの情に流されて引退宣言を言えなくなったこと、自分自身が病の中にいるのに食べ物への感謝の気持ちを持ち続けていることで、自然に鎌田さんの言葉や行動が子どもたちへ素直に伝わっているのだと思います。やはり自己犠牲が一番他人を感動させる事なんだなぁとつくづく思いますし、自分自身もこれからもっともっと自己犠牲をし、人々に感動をあたえられる人間を目指したいと思いました。

審査員特別賞

小学生部門 魔法のからあげのおにぎり 神奈川県 カリタス小学校6年 黒澤 碧 さん
エッセイを読む
[選者のコメント]
辰己啄郎
(国連WFP協会顧問/俳優)


 さわやかで瑞々しい作品です。文章は少々荒っぽいですが、力がある。からあげのおにぎりって食べたことはありませんが、とっても美味しいんだろうなと納得させられてしまいます。一度食べてみたいものです。ちょっと難しいテーマに対し、素直に小学生らしい感性でそのボールを蹴り返してくれた。テクニックに勝る、気持ちのこもった優れたエッセイだと思います。
中学生・高校生部門 「食へのありがたさ」 熊本県 クラーク記念国際高等学校 熊本上通キャンパス 3年 岩間 桜子 さん
エッセイを読む
[選者のコメント]
三浦雄一郎さん
(国連WFP協会親善大使/
プロスキーヤー・冒険家)

 大地震という命を脅かす経験を通して、今まであたり前であったことがどんなにありがたいものであったかに気づき、白いおにぎりと漬物に込められた<食のありがたさ=人の気持ちのありがたさ>に幸せを感じた筆者。困難を乗り越え、自ら動くことで、次の幸せの連鎖へと繋がる。食ベ物と人の力、そして優しさと勇気の広がりが描かれた作品。
18歳以上部門 生きていたと笑った 埼玉県 荻原 純子 さん
エッセイを読む
[選者のコメント]
竹下景子さん
(国連WFP協会親善大使/俳優)

 東日本大震災から5年。3.11を境に多くの生命が生死を分かち、私達は日常の危うさを突きつけられた。荻原さんの作品を読んで、まずあの日の記憶がよみがえる。安否確認できるまでのもどかしさはどんなだったろう。ご両親もお祖父さんお祖母さんも無事と知った時のほっとした気持ちは。「生きることは食べること」。郷土食の芋煮をひとり作る荻原さんの姿には、つながる生命、生かされている自分、故郷への愛があふれている。福島の豚汁は命の味。とびっきりの「ちからメシ」だ。

佳作

小学生部門

東京都 東京学芸大学附属大泉小学校 5年 石野 美宙(いしの みそら)さん
神奈川県 カリタス小学校 6年 馬越 彩(うまこし あや)さん
東京都 暁星小学校 6年 五島 大士(ごとう だいし)さん
東京都 白百合学園小学校 4年 佐々木 陽子(ささき ようこ)さん
神奈川県 横浜市立丸山台小学校 6年 水上 蒼太(みずかみ そうた)さん

中学生・高校生部門

埼玉県 立教新座中学校 1年 太田垣 豪志(おおたがき たけし)さん
愛知県 東邦高等学校 2年 鈴木 英利佳(すずき えりか)さん
東京都 淑徳巣鴨高等学校 2年 津田 桃子(つだ ももこ)さん
宮城県 仙台育英学園高等学校 2年 門馬 涼(もんま りょう)さん
神奈川県 神奈川県立伊勢原高等学校 3年 山本 優香里(やまもと ゆかり)さん

18歳以上部門

山梨県 築野 和子(つくの かずこ)さん
岡山県 藤井 通子(ふじい みちこ)さん
富山県 三原 真衣(みはら まい)さん
東京都 宮田 貴子(みやた たかこ)さん
大阪府 山内 早月(やまうち さつき)さん
審査委員会による審査の様子
審査風景 審査風景
審査委員長の湯川れい子さん、三國清三さんを中心に審査
WFPエッセイコンテスト2016 について