WFPエッセイコンテスト2015 入賞作品

審査員特別賞(中学生・高校生部門) 「食へのありがたさ」
熊本県 クラーク記念国際高等学校 熊本上通キャンパス 3年 岩間 桜子(いわま さくらこ)さん
 平成28年4月16日、私は大きな揺れで目が覚めた。家族と一緒にリビングで寝ていた私は「怖い。」と叫び続け、ただ泣くことしかできず、何が起きているのかも分からなかった。家の物が全部倒れてきて「もう、熊本は終わりなのかな。」と思い、手足が震えた状態で近くの小学校に避難した。避難生活では、日頃あたり前のようにやっていた事が、突然出来なくなり、戸惑いと不安を感じた。断水で水が出ず、お風呂も入れない、トイレも出来ない生活が2週間続いた。もちろん食料にも困ったが、県外の親戚からたくさんの物資が届き、生活に支障のないほどになった。その時「熊本のために、こんなにもたくさん人が支援をしてくれるんだ。人の力はすごいな」と心から思った。そんな、たくさんの人から頂いたお米で握った白いおにぎりと、漬物がとてもおいしくて幸せに感じ、「これから地震に負けず、頑張らないといけないな」という気持ちになった。これが私にとってのちからメシだ。また、その白いおにぎりは、私だけでなく、被災した方々みんなにとっても、ちからメシになったのではないかと思う。そのちからメシによって、元気になった私は「今度は、ちからメシを与える人になりたい」と思い、ボランティアに参加した。そこでは、避難所生活をする方や、車中泊をされている方にお弁当やみそ汁を配るなどをした。その時、自分より大きな被害を受けて苦しんでいる方から「ありがとう」という言葉をかけて頂いて、自然と笑顔と勇気をもらい「あ、やってよかったな」と思った。今回の熊本地震で私は、今まで家や学校で節電や、節水を全く気にせずに使っていたが、電気が使える、水が使えることの大切さに気づくとともに、食への「ありがたさ」を実感し、一滴の水、一粒のお米を無駄にせず大切にすることを学んだ。